能暦

2019/8/4

いざ能楽堂!その前に…  マナー編

服装は?

普段着で問題ありません。折角の機会ですから張り切って着物も結構ですが、観能は長丁場。慣れるまでは疲れない格好がオススメです。とはいえ能楽堂は大人の社交場ですから、カジュアル過ぎるのも粋とは言えません。短パンやサンダル、露出の多い格好は控えたいものです。実際に、「非常に派手な服装の女性が視界に入っても全く気にならないというわけではない」という能楽師の証言もあります。

雑音はご法度!

能楽は演者の芸だけではなく幽玄の雰囲気を楽しむもの。その幽玄なる世界は、舞台上の演者と見所の観客が一体となって初めて成立します。逆に言うなら、観客が出す現実世界の雑音は、その雰囲気をいとも簡単に壊してしまうのです。

  • 携帯音

    まず見所(客席)に入る前に、携帯は電源オフか機内モードに。バイブレーションの音でも十分な破壊力なのでマナーモードもNGです。機内モードにする場合でも、アラームなどが設定されていないかご確認を。

  • 話し声

    上演中の会話も勿論厳禁。ヒソヒソ話でも余計に気になるもの。本人は声を殺してるつもりでも逆効果です。お連れの初心者に同時解説をなさる方もよく見かけますが、周囲から白い目で見られたのでは親切も仇というもの。ぜひ終演後にお願いしたいものです。

  • ガサゴソ音

    カバンの中やコンビニ袋をまさぐる音は思いの外よく響きます。また、能楽堂では入場時に大量のチラシが配られることが多いので、上演前に整理しておきましょう。上演中に参照したい当日のプログラムだけ、すぐに開けるよう分けておくことをオススメします。

寝落ち厳禁?

いえいえ、そんなことはありません。多くの能楽師が、「眠くなったら眠って結構」と公言しています。能楽師の演技が見事過ぎて幻想の世界に夢うつつ、心地よい眠気に支配されることはむしろ自然の摂理。少しくらい眠っても、展開がスローで場面変化が少ないので取り残される心配は無用。罪悪感を感じる必要もありません。
ひとつアドバイスするなら、眠くなった時は俯き姿勢を保って。イビキを抑えられるし、他の方(演者も含め)の目の妨げにもなりません。上手に眠ることもテクニックと考えて、楽な気持ちで臨みましょう。