我が子と立つ悲劇の舞台で見る夢は 〜第五回中村昌弘の会「角田川」
能楽が持つイメージが「重」や「静」という言葉で表されるのならば、シテ方金春流の中村昌弘さんは、「らしくない」能楽師であるのかもしれない。舞台での活動はもちろん、能楽の普及に奔走。居住する狛江市では講座や子ども向けの教室を開き、コミュニュティFMのパーソナリティを務める。同年代の五流儀シテ方能楽師で共同主宰する「流儀横断講座」では、個性的な面々を取りまとめるホスト役が定位置だ。舞台では主役を張るシテ方でありながら、聞き役や裏方でもマルチに才能を発揮する。