喜多流シテ方大島輝久さん
先人から次世代へつなぐ舞台。弁慶像は如何に − 第三回 大島輝久の會
喜多流大島家の五代目として、広島県福山市に生まれた大島輝久さん。代々の系譜を受け継ぎながら、流儀を超えてさまざまな活動に精力的に取り組む、次世代を担う若手能楽師の中心的存在でもあります。
喜多流大島家の五代目として、広島県福山市に生まれた大島輝久さん。代々の系譜を受け継ぎながら、流儀を超えてさまざまな活動に精力的に取り組む、次世代を担う若手能楽師の中心的存在でもあります。
5月28日「第18回山井綱雄之會」で金春流女性能楽師として38年ぶりに『道成寺』を演ずる村岡聖美さん。村岡さんといえば、並外れて絵が上手なことや、暇を見つけては一人でも乗合船で海に出るほど釣りが好きなことは業界内で有名だが、おっとりとした雰囲気とは裏腹に、思い込んだら一直線に物事を極めようとする凝り性がその所以であろう。
大蔵流狂言の家柄、山本東次郎家に生まれた山本則重さん、則秀さん兄弟。伯父は人間国宝・四世山本東次郎師、父は山本則俊師。生まれながらに伝統芸能の担い手としての重責を背負いながら、飾らない明朗な人柄は、狂言の太郎冠者、次郎冠者を地で行くよう。
能楽が持つイメージが「重」や「静」という言葉で表されるのならば、シテ方金春流の中村昌弘さんは、「らしくない」能楽師であるのかもしれない。舞台での活動はもちろん、能楽の普及に奔走。居住する狛江市では講座や子ども向けの教室を開き、コミュニュティFMのパーソナリティを務める。
5月に自らが主宰する「演能空間」の第7回公演を行う宝生流能楽師の和久荘太郎さん。上演される「熊坂」は、美濃の国の伝説的盗賊・熊坂長範を主人公とした物語である。昨年9月の第6回公演で上演された「烏帽子折」も同じ故事を題材としており、熊坂長範が元服を迎えた若かりし源義経(牛若丸)に討ち取られるまでを描いている。
馬野さんは、芸歴50年の能楽師。趣味は釣りと能面収集。草履の音を鳴らして、羽織袴で現れた馬野さんの頭には、黒いハット。足元を見れば牛柄の足袋。ついでに言えば羽織紐はアンティークビーズでできていた。ちょっぴり強面なお顔立ちとは裏腹に、おしゃれ好きで、細部までこだわりの人なのだ。